SKiCCO REPORT

アイドル・ガールズエンタテインメントについて書いていきます。ご連絡は mail at skicco.net までお願いします。

能ある鷹は嗣永桃子

ラジオ番組「Berryz工房 嗣永桃子のぷりぷりプリンセス」(以下ぷりプリ)を毎週楽しみに聴いてる。私はいわゆるハロヲタではないし、Berryz工房のコンサートももう何年も行けてないのだが(私はどうどっから切り取ってもAKB文化圏の人間なのだろうが)、そんな私でも楽しく聴けている。
ぷりプリは文化放送「レコメン!」内で放送される毎週水曜日の23時35分くらいから放送されている、いわば伝統的なアイドルラジオ番組。週替わりでさまざまなコーナーが行われているし、リスナーからのおたより(今はメールか)に桃子が応えたりすることも多い。
私が特に楽しいのは、最近だとBuono!でフランスに行ったときの話とか、とにかく桃子が一人で自分のことを話してる時。正直Buono!の活動とか詳しくないのだけど、とにかく話が楽しい。それに桃子は、例えばBerryz工房ハロプロメンバーのことを話題に出すときは、愛称だけでなく「べりーずこうぼうのとくながちなみちゃん」とちゃんと説明を入れる。私のような薄いファンや、レコメン流れで聴いてる人、いわば一見さん(耳だけど)のことをいつもちゃんと意識してるんだなあと感じる。
同様に、桃子がリスナーに電話して話すコーナーも、(おそらくあえてだろうが)熱心かもしれないけどライトなファンとの会話で、一歩間違えばリスナー蚊帳の外になりかねないけどそういうこともまるでなく、ラジオの向こう側の我々を楽しませてくれている。
嗣永桃子と言えば最近は“ももち”として、テレビのバラエティ番組でも目立つし、実際、そこではTVバラエティとして使いやすいキャラクターとして活躍している。そして、アイドルにしばしば求められる“バラエティ特性”というのは、概ね、今の嗣永桃子のようなキャラクターを指してるのではないだろうかと考えられる。
しかし、アイドルのパーソナリティは人それぞれであり、みんながみんな嗣永桃子になれるわけではないし、なる意味もない。そこを履き違えて、自分を切り売りするようなアイドルを見ると胸が痛む。
一方の桃子だが、テレビで見せる“バラエティ特性”は、桃子の豊かな才能のほんの一部分で、テレビ芸人に合わせてやっているのではないだろうかと感じる。NHKのど自慢のバックバンドがどんな調子っぱずれの出場者でもちゃんと演奏を合わせるように、桃子も、どんなクソ番組でも低能芸人でも面白くなるように、自分と周りを俯瞰して動いているのではないか、ぷりプリで時々垣間見える発言からそんな風に思うのだ。
私はハロヲタではないので、ハロプロ以外の人のラジオを聴く機会のほうが多いのだが、ひとりしゃべりがこんなに豊かで楽しい人はそうそういないのではないかと思う。それができるほどの日々の“貯金”があればこそ、テレビの愚劣なバラエティ番組でも余力を持って活躍できるのではないだろうか。
テレビの桃子しか知らない人も、一度聴いてみて欲しい。時間が定まってないので忘れそうだが、「ぷりぷりプリンセスの爺や」(構成作家)をTwitterでフォローしておけば、オンエア前に教えてくれるので忘れずに聴けるだろう。


ぷりぷりプリンセスの爺や (jiiya_joqr1134) は Twitter を利用しています
https://twitter.com/#!/jiiya_joqr1134


上手くまとまらなくなってしまったが、嗣永桃子は決してヲタ向けだけにアイドルをやってるわけじゃないし、だからといってヲタを切り捨ててるわけでもない。高い次元で両立している、ようするに、すごい人で、そんな桃子の楽しいお話が聴けるラジオはすごい楽しいよってことなのだ。


<関連>
「バラエティ番組」狂いがアイドルに死を招く - SKiCCO JOURNAL
キャラは“作る”ものなのか - SKiCCO JOURNAL
アイドルにおけるリアルタイムウェブの潮流〜ももクロ、女子流に続け〜 - SKiCCO JOURNAL




嗣永桃子 写真集 『 はたち ももち 』
発売日: 2012/3/6