SKiCCO REPORT

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松浦亜弥「松◇クリスタル◇代々木スペシャル」代々木競技場第一体育館(19:00-)

とにかく盛りだくさんでした。実時間一時間半くらいだったらしいですが、体感では二時間以上に感じました。良かった所、それゆえ惜しまれる所、盛りだくさん。過去最高との感想もネット上ではチラホラ見ます。今までのあややの総決算的なステージだったとは思いました。そしてそれは、あややの魅力をあますところなく伝えてくれるものであったことも確かです。


代々木競技場第一体育館は東側に入口があり、南北にスタンド、西側にオーロラビジョン付きのステージがあります。コンサートをするときはこの西側にセットを組みます。
今回、会場に入って目をひいたのが、東側にあるサブステージ。アリーナのお客さんはこの下を通って入場するようです。そのサブステージからアリーナ席に向かってのびる花道が、サブステージと西側のメインステージをつなぐ通路が、南北のスタンドとアリーナの間にあります。アリーナは通路とステージにかこまれるかたちになってます。
2ベル(鳴ってないけど)後、照明が明るいままドナ・サマーの「Hot Stuff」のイントロが延々とリピートされる。念のために書いておくと今回のツアーのプロモーターはいつもどおりオデッセーである。


消灯し、開演。
一曲目は最新シングルなので、やはり「YOUR SONG〜青春白書〜」から。
序盤はほとんどMCなしで連続して歌ってた印象がある。「恋してごめんね」「DO YOU LOVE ME?」という(俺には)意外な選曲もあったり。
序盤で圧巻だったのが、「Yeah!めっちゃホリディ」→「トロピカ〜ル恋して〜る」の流れ。
めちゃホリは、まあ、めちゃホリ以外の何者でもないのですが、でかい代々木を制圧するがごとく、いつも以上にキレのある動き。♪あたらしい自分を〜(あやや〜)と叫ばせたときのあややの充実感がこちらへ伝わってくるようです。
至福のキャッチボールの余韻に浸ろうとした時、トロ恋冒頭のセリフが流れた時は耳を疑ったほどでした。まさに「ほんとに?」な気分。正直、トロ恋は二度と聴けないんじゃないかくらいに思ってたので。サブステージへの通路とは別に、メインステージから南北スタンドへ着き出したミニステージを存分に使っての♪は〜しゃいじゃあ〜ってよいのかな(ぱくぱく)。サビのときに俺のいる北側のミニステージへ来てぱくぱく(感涙)。間奏の「みんなのことがだいすきだよおぉ〜」というセリフが無くなってたような気がして個人的に残念。
今回は、北側の一階スタンド10列目という場所で見ていて、とてもステージに近いとは言えない場所だったし、開演直後は「誰が歌っててもわかんねえよな」ぐらいに思ったのですが、この「めちゃホリ」「トロ恋」あたりから、まるで距離が縮まったような錯覚ーのはずであるーで、あややがそう遠くない位置に見えてくるのです。
あのでかい会場を、たった一人で、自分からの意識というか、自分への意識と言うか、そういうもので満たしているのでしょうか。
この流れを受け継いだかのように「絶対解ける問題〜」が流れはじめ、まさしく過去最高の称号を私が脳内で用意したところでしたが、これはビデオ上映でした。ビデオには歌詞字幕がついており、ああこれがモーニング娘。のコンサートで悪評プンプンだったカラオケビデオかなるほどなと思いました。心も体も一気に冷えていきました。なまじ、ビデオがけっこういい出来だったので、とても複雑な心境です。

その間にあややはサブステージに移動し、登場。「The 美学」からはじまるシングルメドレー。前回のツアーのようなぶつ切りメドレーではなく、イントロアウトロの編集等でうまくまとめてた分まともに聴こえたというか、一曲一曲もそこそこあった気がします。さすがにヒット曲満載なので冷えた心も徐々にですがあったまってきます。俺単純だな。
100回のKISS」では、サブステージの花道だと思ってた部分がクレーンとなってあややを持ち上げ、会場全体をまわります。二階にいた知り合いによれば、クレーンが上がった所がちょうど目線があう高さだったらしいです。
「LOVE涙色」は前サビがゆっくりめ。南側通路からメインステージに戻りながら「ドッキドキ!LOVEメール」アウトロのぱっぱっぱ〜らっぱ〜が短めで個人的に残念。
さらにVTR。代々木スペシャルに関するインタビューなので、いつものくだらないゲームみたいなビデオよりはよほどましではあるが、そもそもVでつなぐ構成自体をなんとかしてほしい。
とはいえこのビデオ、興味ぶかい点が。デビュー当時と今とくらべてどうかとの問いに対し、デビュー当時は常に100%全開だったとし、四年前と同じことを今同じようにやれと言われてもできないという意味の返答をしている。これは、あやや自体の能力があがったと同時に、ひとつのことに100%うちこむわけにはいかないという意味だと俺は受け取った。
久々にアイドルサイボーグ節を復活させて書くと、デビュー当時はベネトン・フォードで当時最強のウイリアムズ・ルノーと戦って勝たなければだったのでまさしく全身全霊だったが、今は自身が心身共に安定しており、天下無敵のフェラーリF2004を駆ってぶっちぎりで勝てる、という意味かなと。F1デビュー2,3年の、非力なマシンに乗っている時と、名実共に世界一と言えるチームとマシンで連勝街道をひた走る今とでは、そりゃ同じわけが無い。本人をとりまく環境だって、その間に全然変わっているだろうし。
あと、あややに限ったことではないが、アイドルはアーティスト様と違って、歌だけ歌ってればいいというものではない、という現実もある。それも含んでいると思う。
さながら、このVTRでぶつ切りにされているのは、ピットインのようだと思った。
二ストップ目を終えて、第三スティントは「奇跡の香りダンス。」でスタート。個人的にタカまりまくるので、タイヤならぬ体をあっためるのには最適である。いつもよりよけいに巻き舌ってる歌唱だった気がする。
「ね〜え?」ではサビの♪あなたが好きだからよ、の「あなた」を「あやや」にして客がかぶせるプレイ。このときの喜びっぷりはいつも以上だった気がする。
風信子(ヒヤシンス)」マジョリティな松浦ファンの評判は知らないが、この曲、ライヴでは好き。サビでありがとうありがとうとくりかえすとき、俺もあややにありがとうありがとうと言いたいので一緒に歌ってしまう。しかもリフレインの回数がマジハンパなく多いので、歌ってるうちにちょっと言葉にしがたい感情になる。
「I Know」これも前回のツアーで、はしょられてた気がするので、とてもうれしい。
GOOD BYE 夏男」サビ前のフリがデフォルトと違って、正拳付きや波動拳みたいなのが入ってた。あと、やたら客を煽りまくってた。サビのグッバッボーを客に叫ばさせたかったらしくマイクを向けてたが、ぶっちゃけそこは言いづらいんですよ。
例によってだらだらアンコール。しかし出て来ておっぱじめたのがツップリ生CM。確かに「歌だけ歌ってればいいというものではない」というのはわかるが、なにもこのタイミングでやらなくてもいいじゃないスか。
最後は、愛・地球博のキャンペーンソング「シャイニングデイ」すいません、この曲存在自体すっかりわすれてました。歌いながら北側通路を通ってサブステージへ。このとき、大量の花飾りのついた帽子みたいなのをかぶってたのですが、それを押さえるようにしてました。見ようによっては頭痛なんじゃないかとおもいましたが、サブステージへ行って帽子をはずしたらその仕草をしなくなったので、あの帽子に何かあったのかも。
シャイニングデイ〜はんはんはん〜(歌詞不明)サビではみんなで手を振って大合唱。歌詞わかんなくても合唱。途中でオケが止まってリアル大合唱。おお「紅」みたいだ。花道があったので「FOREVER LOVE」でも可。というかここでXJAPAN思い出すやつぁさすがに俺だけなどということはないと思うがチト不安。
南側通路を通ってメインステージに帰り、ラストMCで、「どうしても、今日、歌いたい曲がある」という意味の言葉で曲紹介。
オーラスはアコギっぽいオケで「可能性の道」。
やっぱり盛りだくさんだった。
そして、松浦亜弥はアイドルであり続けることもわかった。
俺らも、女子も、ファミリー席の人も、みんなが楽しめるという、いわば「あたりまえのアイドル」になりつつあるのだなと感じた。
あたりまえ、は、つまらない、という意味ではない。
「あたりまえのアイドル」はずっと空位だった。
80年代中盤以降は、ちょっと売れるとすぐにロックとか女優とかロックとか女優とかロックとか女優とかロックとか女優とかロックとか女優とかロックとか女優とか言い出す人が多かったように記憶している。
ロックでも女優でもかまわんけど、「あたりまえのアイドル」がずっと空位だったおかげで、みんなアイドルがどんなに素敵でどんなに楽しいか忘れているんじゃないかと思う。
あややがそれを思い出させてくれたし、これからもそれを示していくのだろうなと感じました。


その他。
なんかの曲で特効(打ち上げない花火)。ボーン。やっぱ気持ちいい。なんで今までなかったんだろう。
あと、なんかの曲の間奏でヒップホップみたいなかけあい(セイホーオ(セイホーオ)みたいなの)をやらせようとしてたような気がするけど、いくらあややでもそれはどうかと思った。
開演前のお楽しみ……はあんましなかった。でも「東京きりぎりす」の練習をしている人がいた。いつ披露するんだろう。き〜りぎり〜す(はぉぉぉぉぉぉぉぉ)
参加認定証をもらった。参加の証以外の効用はなさそうだ。