SKiCCO REPORT

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続・撮禁を再考する


(※写真はイメージです)


昨日まで行われていたポール・マッカートニーの来日公演が撮影可だったらしいのですが、その反響がニュースで取り上げられています。


「解禁」相次ぐコンサート撮影に苦情も NHKニュース

「画面の光が正直かなり邪魔」「ずっとタブレットを上にあげていて邪魔」ポール・マッカートニーさんのコンサートの観客が、終演後にツイッターに投稿したコメントの一部です。いずれも、コンサートの最中に一部の観客がしていたステージの写真撮影を非難する内容です。
中には「肖像権の侵害ではないか」という書き込みもありましたが、今回のコンサートを主催する会社のサイトを見ますと、「携帯電話やタブレットメディアプレーヤー以外での写真撮影は禁止」という記載があり、事実上、携帯電話やスマートフォンなどでの写真撮影は認められていたことが分かります。

記事によれば、観客によるコンサート等での撮影が部分的にでも解禁となる背景には、ソーシャルメディア等ネットでの広がりによりアーティストの知名度向上を期待したり、来場したファンの満足度を上げてコンサート収益につなげたいといった狙いがある、としています。世界で最も有名なミュージシャンの一人であろうポール・マッカトニーに“知名度向上”が必要などうかはさておき、海外では撮影可が当たり前だというような話は聞いたことがあります(私は海外でのコンサート経験が無いので伝聞ですが)。


当サイトでも先日、現場での一律撮影禁止を再考してほしいという記事を描きました。
橋本環奈現象に“撮禁”を再考する - SKiCCO REPORT
この記事については、たくさんの反響をいただきました。ありがとうございます。
その中には、旧世紀の悪しき現場が蘇るのではと懸念する声や、撮る人と撮らずにライヴで盛り上がりたい人の住み分けについて心配するご指摘もありました。
確かに、旧世紀の撮可現場には、文字通り血塗られた歴史があったように記憶しています。
ですが近年は、一部の撮可現場においても、一脚で殴る(しかも雲台側で)といったような物騒な話は寡聞にして存じません。もちろん、ポ主等におけるいざこざはあるかもしれませんが、それは撮影するしないに関わらず存在する問題なわけでして。
撮る人と盛り上がりたい人の住み分けについては、先のニュース記事にこんな記述があります。

会場の1階席は演奏を見る観客のため、2階席は撮影する観客のため、というように分けて、2階席は撮影をしやすいように「全員着席」というルールまで設けた

こうした住み分けも一つの方法でしょう。それに「画面の光が正直かなり邪魔」「ずっとタブレットを上にあげていて邪魔」というのも、邪魔って言い出せばサイリウムなどの発光体(特に最近流行りの巨大サイズや何本も束になってるアレ)だって目の前で頭上に掲げて振られたら邪魔ですし、曲のリズムに関係なく無秩序に連続してジャンプする行為(マサイとか推しジャンとか)だって後ろの人にとっては邪魔ですし、盛り上がりたい人にとってはなにもしない人こそ邪魔だなんて意見もあります(地蔵問題)。結局は何にせよ程度問題ではないでしょうか。


私が先日の記事で“再考”してほしいと書いたのは、ポール・マッカトニーのようなワンオブモウストフェイマスミュージシャンインザワールドのような方についてではなく、これから知名度を上げていこうとするアイドル(の運営)が撮禁にしてる意味がわからない、ということです。実際、そういったアイドルさんの現場は、撮可であっても客がそんなに集まらず、問題の起きようが無い、というのが実情です(私が見た現場がたまたま平和だったのかもしれませが、私も複数の現場を見て言っています)。そして、撮禁の現場で客がまばらだったりすると、なんのために撮禁なんだろうなあ〜理由あるのかなあ〜という思いが頭を過るのです。


アイドルの運営さん、ライヴの主催者さんには、今一度「なぜ撮禁なのか」をあらためて考えていただき、特段の事由が無ければ、撮影可にしていただければ幸いに存じますです。