SKiCCO REPORT

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テン年代は、アイドルがファンをお金でランク付けし公表する時代になった

そうだ。テン年代あと三ヶ月で終わるんぞ。


テン年代は、アイドルがファンをお金でランク付けし、なんら恥じ入るところも無く公表する時代になった。


どんな商売でも、直接金くれ買ってくれとは言わない。消費者が求めるような製品やサービスを提供し、消費者自ら金を払うように工夫する。エンタメの世界だって「みなさん遊びに来てください」「お待ちしています」など遠回しな表現を使い、直接金くれチケ買えさっさと買えとか言わない。言う時は運営が言うものである。


ところがよりにもよってアイドルだけは自らそういうことを公の場でする。もちろんそれは運営の方針だったり、アイドルにそれをさせるシステムの存在があるからだ(アイドルは悪くない)。


ショールームやチアーズなどのサービスで、ユーザーが使った金額のランキングをアイドル自らが発表する。アイドルたちにしてみればあくまで感謝の表現のつもりなのだろう(もちろん完全に客煽って金使わせようとしてる人もいるだろうが)。だがその意味するところは、1位の人が一番ありがたい客であり、2位の人は1位よりありがたくなくて、ランク外の客は別にどうでもいい、と言ってるのと同義なのだ。


アイドルと呼ばれる者は、一握りの人間のための存在ではない。


それがこんなことになってしまっている。アイドル自らが金くれと言うようなことを当然と思わせるシステムを生んだやつを私は憎む。これを浅ましいいことだと教えない運営の無知あるいは怠惰あるいは悪意を恨む。


金は大切である。アイドルにとってもファンにとっても。だからファンがその大切なお金を自分のために使ってくれたということ対して感謝の意を表す、ということ自体は理解する。しかしそのファン一人一人をランク付けし、誰が誰よりも金を使ってるかあるいは使ってないかをはっきりとさせ、たった一人に“1位”という“ごほうび”を与え、客同士の金払い競争を煽るなどというやり方は、はっきり言って醜い。アイドルが活動するための資金を集めるのは運営の仕事だ。それをアイドルが直接やるんであれば運営は不要だし、その資金提供を一握りの個人に求めるならそれは公な存在としてのアイドルとは言えない。


アイドルとは、特定の誰かに金で買われる存在ではないはずだ。不特定多数の人に愛される(ことを目指す)のがアイドルではないのか。


こんな卑しいシステムはテン年代で終わりにしてくれ。アイドルは誰か個人に金で買われる存在ではなく、広く愛される存在を目指してほしい。運営は金がほしいから煽るだろうが、そういう商売がやりたいのならアイドルは名乗るな。