「好きならクソ曲でも耐えろ」と言った人がいた。一定の真理ではある。
アイドルが人前でステージに立ち活動を行うのであれば、ファンが足を運ぶのはその活動が楽しいから、というのが大前提だと思ってる。いくら自分が好きなアイドルがステージにいても、やってる内容が楽しくなければ、それは、ただ、好きな子がそこにいるけど楽しくない演目を見させられている状態、である。
私にとっては苦痛だが、それは、自分の好きな女の子が自分の思い通りにならないからだというエゴかもしれない。あるいは、好きならクソ曲でも耐えろ耐えられないなら愛が足りない、ということかもしれない。
自分が好きになったアイドルが一度アイドル活動止めたけど新しいグループに入った、あるいはソロ活動をはじめた、又はソロ活動してたアイドルがグループに入った。グラビアやモデルで活動してた女の子がアイドル活動をはじめた。その他、エトセトラ、エトセトラ。
アイドルを好きになるきっかけは様々である。そして、そのアイドルを好きになる一瞬前は、何の感情も思い入れも無い。
たまたま観たアイドルグループのライヴが楽しかった。そこで活動する〇〇ちゃんに心奪われた。よくある話だ。だがグループの芸風や活動方針が変わることもある。または、〇〇ちゃんが別のグループへ移って、自分の好みとは合わない活動をはじめてしまった。よくある。
どうする?
ライヴつまんなきゃ行かなきゃいいってのは一番わかりやすいが、だからといって〇〇ちゃんへの想いまで機械的にデリートできるものでもない。だって活動してるんだから。SNSなどで、来てください!新しい活動楽しんでください!とか言われれば、興味がないというのも嘘になる。
それで、〇〇ちゃんが出てるからと言って、会いたいからって、楽しめないライヴに楽しいフリをして通う。それは〇〇ちゃんに対して嘘をついていることにならないだろうか。もちろんなんでも本当のこと言えばいいってもんでもない。いくら愚鈍で空気の読めない私でも、特典会でライヴつまらん前のほうが良かったって直接言うほど無神経ではない。
それでもファンが減るよりはいい、ライヴ指名やチェキがカウントされれば〇〇ちゃんの役に立つ、そういうシステムだ。
これが、本格的に人気が伸び始めたアイドルならこんなこといちいち考えない。芸風や方針が変わって離れる既存ファンより新規のファンが多ければそれは成功なのだから。今まで楽しませてくれてありがとう!君のことは忘れないよ!そんな感じでいいんじゃないかと。
そうではない場合はどうか。〇〇ちゃんが自分はおろか客全員を認知してるような現場(たくさんある)で、なんかライヴつまんないから行かないにするか、という選択を気軽にできるか。しかしつまんないライヴを面白いフリをして通うのも〇〇ちゃんを欺いていうようで気がひける。現実問題としては売上カウントされるんならこっちが内心どう思ってようが行ったほうがいいんだろうけど。“ライヴの楽しさ”という見返りを求めない行動こそ“愛”だと。
でも大前提として、エンタメなんだから演目が楽しいゆえに足を運ぶのが自然な姿のはずだ。
そしてアイドル(だけじゃないかもしれない)は個人の魅力と演目の楽しさが切っても切れないもの。
どうするどうするどうする君ならどうする?
いろんな経験をしてきたけど、どういう選択をしても心は晴れない。