SKiCCO REPORT

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全アイドルファン必聴の超強力盤!JK21珠玉の名曲集「Lucky Tripper 〜それぞれの夏〜」




JK21「Lucky Tripper 〜それぞれの夏〜」

巷にアイドルがあふれている2013年。もとよりアイドルという“ジャンル”が持つ無限の力が様々な取り組みで活かされ、おそらく有史以来最もアイドルの多い時代でしょう。そうしたシーンの宿命でしょうが、売らんかなの気持ちでアイドルでないものを“アイドル”と言い張った、安易な“名ばかりアイドル”の存在も目立っています。
このような時代に発売されたJK21のアルバム「Lucky Tripper 〜それぞれの夏〜」は、シーンの喧騒を忘れさせてくれる清涼感と、アイドルが本来持っている輝きにあふれています。今このタイミングで本作のように素晴らしい作品が登場したのは奇跡と言っていいかもしれません。


本来であれば「黙って聴け!」とだけ言いたいほどのパワーに満ちあふれている本作ですが、それはそれでアレなので、文字だけで魅力をどこまでお伝えできるかチャレンジしたいと思います。

JK21にとって久々のCDとなるアルバム「Lucky Tripper 〜それぞれの夏〜」は、ライヴ等で人気を博し、長らく音源化が待ち望まれていた「vanilla」、「GO&GO」や、オリジナルクリスマスソング「愛して」を含む全7曲です。

アイドルポップスの魅力を……あえて定義するなら、それは“アイドルでなくては歌えない(似合わない)曲”ということになるでしょうか。そしてそれを歌うことのできる存在こそが“アイドル”そのものではないでしょうか(トートロジーかもしれませんが)。
1曲目「ほんの少し片思い」や「vanilla」に代表される、今の時代らしいトラックでありながら、センチメンタルなリリックから伝わる、胸がしめつけられたり目頭の奥が熱くなる感じは、アイドルでなくては歌えないアイドルソングそのものだと言えるでしょう。ポジティヴな「GO&GO」も、短絡的なアッパーチューンではなく、とにかく楽しさと明るさ、キラキラさとワクワクさが印象深いです。「愛して」は、クラシック曲を丁寧にコラージュしたクリスマスソング。アイドルのクリスマスソングというのは実はなかなか作るのが難しいらしく、これといった決定版はなかなか無いのですが、その候補にはぜひ挙げたい一曲です。

そしてタイトルチューンの「LUCKY TRIPPER」こそ、“傑作”として手を叩いて喜びたい気分になる、爽快で豪快な曲になっています。
昨今のアイドルシーンでは、とにかく“客が大声で大騒ぎできる”短絡的なアッパーチューンが歓迎されている節があります。確かに、それが一番わかりやすい“盛り上がり”だからでしょう。一方JK21は着席推奨だったり、ノンアルコール現場だったりと、そうした風潮とは一線を画してきました。そしてこの「LUCKY TRIPPER」では、このようなJK21のイメージを壊すこと無く、お祭り騒ぎ的な“盛り上がり”だってできると証明したかのようで、実に痛快です。クラシック曲のコラージュ、早口言葉のような譜割り、トリッキーな曲構成など、紋切り型の表現ですが、おもちゃ箱をひっくり返した感じは、とにかくアイドルソングの楽しさと可能性がギッシリ詰まっています。

元よりJK21は楽曲のクオリティには定評がありますが、さらに2013年版にアップデートされたJK21の最新作を、ぜひ、一人でも多くの人に聴いていただきたいと願う次第です。