(前回はこちら)
フェアリーズ「White Angel」
アイドルのPVには様々な要素がありますが、その究極の目的は、どれだけそのアイドルそして楽曲の魅力を印象づけられるかということです。
そのために、これまで様々な手法がとられ、様々なPVが作られてきました。
現在ではだいたい「ダンスシーン」、「イメージシーン」「歌唱ソロショット」を組み合わせたものが一般的かと思います。なおかつ、歌詞(リリック)と曲(ミュージック)に合わせるのが定石でしょう。
いろいろな歴史を経て使われるようになっただけに手堅く効果的なのですが、丁寧に作った場合とそうじゃない場合の差もはっきりでてしまうように思えます。Fairiesの場合、そもそも本人たちのダンスが素晴らしく、それだけでも曲と映像がシンクしてるので、過剰な演出をしないというのは正解だと思います。実際、CDに付属のDVDには、ダンスシーンだけのヴァージョンも収録されています。
もちろん、上記のパターンからはずれたものも少なくないです。楽曲のイメージを映像化することに専念した、映像効果を重視した、といった能動的な理由や、予算が少ない中知恵を絞った結果そうなった、など理由はさまざまです。ですが、少なくともアイドルPVに関して言えば、アイドルが魅力的に感じられれば何であろうとオッケーだし、どんなに予算や技術を使って有名なクリエイターが手がけたとしても、ダメなものはダメなのです。
映像としてのクリエイティビティと、アイドルPVとしての素晴らしさの見事に両立させてるのが、東京女子流の「約束」や「Bad flower」だと思います。
最高の技術やセンスや予算で最高のPVを作ったのが女子流なら、さまざまな制約を知恵と工夫で乗り切って素晴らしいPVにしたのが、Dorothy Little Happy(ドロシーリトルハッピー)かと思います。公開されているのは短縮版ですが、フルで見るとサプライズで二度感動できるので、機会があったらぜひ観ていただきたいです。
※実際は映像は揺れたりしません
この2作、ともにワンカットってのが魅力で、個人的にすごく気に入っています。ドロシーのダンスが素晴らしいからこそできる映像だとも思います。
アイドルの魅力と楽曲の良さ、その双方を融合しまとめ上げるには、曲と映像のシンクは欠かせないと思います。
Wink「淋しい熱帯魚」
これとかわかりやすすぎるくらいわかりやすいですね(^^)
アイドルではありませんが、同時期にこういうのもありました。まさしくアイデアとセンスの勝利。
前田亜季「ごめんね」
※実際は字幕はありません
また、“曲と映像のシンク”は何もリズムに合わせるだけではありません。前田亜季「ごめんね」PVの、楽曲から受ける印象を感性全開で映像化したような美しさは、まさしくアイドルPVの見本とも言えます。まあこれはアイドル本人の魅力が突出してるからこそなせる技でもありますが。私は当時これを深夜のテレビ放送で偶然一度見ただけだったのですが、鮮烈に脳裏に焼き付いて離れず、後年ソースを発見した時は本当にうれしかったです。
アイドル自身の魅力と楽曲の良さを映像の力でかけあわせ時に魅力を増幅される、アイドルPVはこれからもそうあって欲しいと思います。
最後に、アイドル自身の良さと楽曲の力を創意工夫で実現したPVを紹介させていただきます(^^)
楽しいね!