SKiCCO REPORT

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Berryz工房「Berryz工房コンサートツアー2005秋〜スイッチ ON!〜」市原市民会館(18:00-)

 最寄り駅からバスで15分、のはずがそのバスが出ていない。歩く事自体はいっこうにかまわんのだが、そもそも道を知らない。どうしようかと思ってたら、そのへんにいた人に声をかけられタクることに。助かったんだけど、なんで俺がベリエ見に来たってわかったんだろう。
 現地で知人と邂逅。昼公演見たらしく、石村舞波Berryz卒業を聞かされる。実はこの時点では“ベリエを卒業”するんでハロプロには残ると勝手に思い込んでた。
 オープニングVTRの間にステージ中央にメンバがスタンバって、「なんちゅう恋をやってるぅYOU KNOW?」からスタート。序盤からシングル連発。年食ってからはスロースターターになったと思ってたんだが、こっちのテンションをあっという間にトップギアに入れさせる構成。そう、俺が大好きだったアイドルのコンサートはみんなこうだった。全曲ハンドマイクなので、テレビとはフリもやや違うし、なにより2階建てのステージを8人でかけまわって、目一杯つかって、そういう「本来」のやり方を見れて本当にうれしかった。それがハロプロで、それもBerryzだったのいうのは正直意外だったけど。
 最初のMCでBerryz工房そしてハロー!プロジェクトも卒業と発表され、さすがに動揺する。が、考えるのは後にして楽しむことにする。というか、コンサート自体が実にすばらしく、舞波の件はそれはそれとして、とても楽しかった。これを楽しまなければ逆に申し訳ないぐらいだった。まあマジヲタじゃないからこんなのんきなことを言ってられるんだろうけど。
 アルバムやc/w曲もどんどんやる。「パッション E-CHA E-CHA」「夢でドゥーアップ」「安心感」あたりが聴けてすごいうれしい。そう、コンサートってこうだよな。
 全員じゃない曲もあったりしてて(グループものはこういうのも楽しみ)、清水佐紀須藤茉麻、石村での「かっちょええ!」は本当にかっちょえかった。ほかの曲も含めて、しみハムがすごく印象に残った。発汗量多そうなちっこいのがガンガン動いてて、こっちもつられて盛り上がった。アンコールにはヘトヘトになってへろへろになったりもしてたけど。
 朗読コーナー、といえば、つまらないのが定番だが、今回は面白かった。厳密には読んでないから朗読じゃないか。メロディ抜きで唄うとでも言えばいいのか。お題はなぜか「SHALL WE LOVE?」(ごまっとう)。ステージ上は嗣永桃子菅谷梨沙子の二人だけで照明も最低限。そんななか、ワンフレーズずつ、感情たっぷりに詩を唄い上げる。「好きだよ!」とか「寂しくないよ・・・寂しくなんかないよ」などのフレーズが会場に響くたび、無駄に反応する客ども。それが面白かったらしいりしゃこと、最後まで教科書通りの桃子。ギターバトルならぬポエムバトルだと思うと、りしゃこの勝ちかな。
 途中で時間稼ぎのPV。しかもかのアイドルカントリーの名曲「蝉」(ちなみにアイドルカントリーの最高傑作は言うまでもなく「カントリーロード」(本名陽子)である)。全体の流れをこわすものではなかったので、まあこれは許そうかと思う。ってかこのPVすげえよかったんだけど。
 後半の衣装で、ガルバルディβみたいな衣装がすごいかっこよかった。装甲は赤と金で、そのくせ胸元は白ブラウスにリボンタイ。かっこかわいい。この重たそうな衣装での「あなたなしでは生きてゆけない」はなんかすげえ迫力があった。
 一番盛り上がるところに持ってきたであろう「恋の呪縛」は、始まる前に8人がそれぞれ、1フレーズずつ朗読(じゃいなけど)する演出で、そのたびにピンスポがあたるのだけれど、一度はスタンバッた夏焼雅がいきなりステージ脇に急いで戻って、結局誰もいないところにピンスポが当たるという珍現象が。その後もなかなか戻ってこないまま曲がスタートし、雅パートは声だけ聞こえるという状態に。1番のサビには間に合ったけど。何があったんだろう。
 クライマックスにふさわしい「スッペシャル ジェネレ〜ション」はほぼデフォルトのフォーメーションだったので「なんだその肩は〜」って叫んでおいた。
 アンコールはいつのまにか舞波コールになっていた。
 最後のあいさつで、しみハムがヘロヘロになってるにもかかわらず、台本どおり元気いっぱいにMCをふる桃子。この人グループには向かないんじゃないかってちょっとだけ思った。
 つーか、今回、けっこう前の方で見てて。よくよく考えると、ベリエのステージを、表情が確認できるほど近くで見るのってはじめてかもしんないんだけど、桃子っていつもああなのかなあ。この日だけ?
 ちょっとあれだ、やりすぎじゃないかと。
 りしゃことのポエムバトルも確かに桃子のほうがよくできているんだけど、俺ら別に審査員じゃないんで。
 呪縛で雅がいなくなったときも、りしゃことか他のメンバは「おいおいどうすんだよ」みたいな表情がわずかに見えたけど、何事もなかったかのように自分のグリッドに移動する桃子。
 あと、終盤、曲前に、全員でスタンバってて、ちょうど雅と桃子が背中合わせだったかな、その状態でイントロ待ってたら、オケだしミスって(メジャーでもあるんだ)。そのとき雅は軽くずっこけたような表情だったけど、顔色ひとつ変えない桃子。
 確かに、アイドルサイボーグの正統後継者と言ったのは俺だけど。完璧は完璧なんだが、あれじゃサイボーグってよりロボットだ。生真面目が過ぎて意固地にさえ見えた。
 いや、ステージ上で完璧を目指すのは当然だし、ああせざるをえないという理由が思い当たらないではないけれど。けれどなあ。逆にちょっと心配。
 とまあ、いろいろありつつも、内容は実にすばらしいコンサートだった。「ちゃんとした」「アイドルグループ」の「ホールコンサート」ってホント何年振りに見たんだろう。下手すりゃCoCoあたりまでさかのぼらなきゃかもしれない。何もかもすべてが輝いて見えるようだった。俺にとっては懐かしい感覚であり、それをハロプロで、しかもBerryz工房で味わえるとは正直思わなかった。
 その、8人のステージもあとわずかなわけだが、ちゃんと8人のうちにこの内容ができてよかったとも言える。そのくらいすばらしかった。
 マジヲタでもなんでもないくせに、こういうときだけ殊勝ぶるのもアレだけど、せめて思うのは。 10/2までの日々が、舞波にとって「Berryz工房でよかった」と10年後20年後に言えるような日々でありますように。
 20年たっても、まだ今の俺より年下・・・。