SKiCCO REPORT

アイドル・ガールズエンタテインメントについて書いていきます。ご連絡は mail at skicco.net までお願いします。

アイドルたちは誰がために戦う

最近、と言っても結構経ちますが、テレビ雑誌ネット問わず、アイドルを対決させる系の企画が多いように感じます。昔から無かったわけではないですが、今はいくらなんでも多すぎではないかなと。


それぞれの企画に参加するアイドルを批判したいわけではないので具体例は挙げませんが、テレビや雑誌等ですと、そうした対決に勝つと、テレビなら出演時間や機会が与えられたり、雑誌ですと掲載ページを増やしてもらったりとかのパターン。ライヴとかでも、複数のアイドル(グループ)が出演し、会場の客やあるいはネット配信を見てる人に投票してもらう、なんてのをしばしば見かけます。それで、勝った方は“ごほうび”があるからいいんでしょうけど、負けた方は悔しそうだったり落ち込んでたりで、その後握手会とかあってもどんな顔したらいいのかこっちも困ります。やっぱり好きなアイドルちゃんには笑顔でいて欲しいのです。


それが嫌ならお前がオーエンすればいいだろって?んなこと言ったって勝負したら必ず誰かは負けるわけじゃないですか。いーんですよ対決自体は。でもこうした芸事の対決って、数字で決着つけるものなんでしょうかねえ。いくつかのアイドルが共演する場合、お互いにそれぞれのステージを観たりして、刺激を与えあって受けあって、自らの力に結びつけていく、それが本来あるべき切磋琢磨ではないでしょうか。なのに、無理矢理にでも数字で決着させて、いたずらに敗北感や劣等感を与えて、それがなんになるんですか。


さらに言えば、特にテレビや雑誌の企画の場合は、最初から勝者が決まってるいわゆる出来レースの疑いが強く感じられます。みなさんも、こうした企画で候補者を見た時から誰が勝者か見当がついたことはあるでしょう。それこそレコード大賞からしてギョーカイのパワーゲームだと思われてるんですから。だからといってこうした現状を否定的に見ると「空気読め」「お約束がわかってない」などと言われかねない。嫌な時代ですね。


そもそも、アイドルたちは常に数字と直面せざるをえないわけですよ。ファンの側から見えないだけで。動員とか売上とか。今は握手もグッズも個別が主流ですから、グループと言えども個人個人がプレッシャーに晒されてるわけです。その事自体は人気商売の宿命ですから良いも悪いもありません。ですが、それ以上によけいな争いを煽り見せ物にして、アイドルらを疲弊させ、ファン心理につけ込み、場合によってはそれで金を稼ぐ。その金持ってくのはアイドル側じゃなくて争いの首謀者(テレビ屋とか雑誌屋とかネット屋とかイヴェント屋とか)ですからね。自らは何のリスクも犯さず金だけかすめ取っていく。こうした潮流には憤りを覚えます。


アイドルたちは、日々現実ってやつと戦っているのです。だから、ファンの前に出る時は笑顔でいて欲しいし、ファンはアイドルたちに笑顔を与える存在であってほしいのです。なんかの対決に負けたからって、誰も悪くないのにお互い気まずいのとか意味わかんないですし。


Amazon特別プロモーション