SKiCCO REPORT

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真野恵里菜3rdアルバム「More Friends Over」は'10年代に燦然と輝くアイドルの教典

本当に素晴らしい。
安っぽいアイドルもどきがあふれる時代に、まさにアイドルの何たるかを示す作品と出会えました。
真野恵里菜3rdアルバム「More Friends Over」には、アイドルの魅力がこれでもかとギッシリ詰まってます。
音楽配信の世代が増えてくるのに伴い、アルバムという表現形態がいつまで続くかわからなくなってきております。そんな中、“アイドル”の“アルバム”という作品を、これ以上もないほど明確に具現化してくれました。それぞれの楽曲が素敵なのはもちろんですが、それと同じくらい大事なのがアルバム全体の構成です。流れです。
アルバムという作品の良し悪しは2秒でわかるとも言います(言ってるのは主に私ですが)。まあ2秒は極端ですがあながち比喩でも無いです。作品の冒頭、そこでどれだけ聴き手の心をとらえられるか。約1時間飽きさせずに、その作品世界に夢中にさせるには、その出だしは極めて重要です。そして本作は、まさに心をワシ掴みにしてくれます。そこからの流れが完璧すぎるのです。1曲1曲様々な歌の世界を生きながら(活かしながら)、“真野ちゃん”である統一感を同時に実現する、それはまさしく“女優”の仕事がなせる技ではないかと思うのです。アイドルと女優はなかなか両立するのが難しいと考えられてますが、女優“真野恵里菜”がアイドルの“真野ちゃん”の力をより際立たせるしてるのでは、とこの作品から感じられます。
前作「MORE FRIENDS」の「堕天使エリー」で開花した世界(?)は本作でより効果的に盛り込まれており、時々入るインターミッションがアルバム全体を引き締めることに成功しています。アイドルでこの手の仕掛けは往々にして失敗しがちですが、それを成立させてるあたりにも感動します。

1stアルバム「FRIENDS」が出た時、私は、「'00年代を代表する名盤」であり、アイドルの何たるかを示す教典だと感じました。そして、アイドルだかなんだかわからないものがあふれるこの'10年代、真野ちゃんは再び、アイドルの何たるかを示してくれました。アイドルを愛する、アイドルにこだわる全ての人に聴いて欲しい一枚です。


More Friends Over (初回生産限定盤)(DVD付)

真野恵里菜





More Friends Over

真野恵里菜