SKiCCO REPORT

アイドル・ガールズエンタテインメントについて書いていきます。ご連絡は mail at skicco.net までお願いします。

アイドルブームをブームで終わらせないために

世の中はどうやらアイドルブームらしい。アイドルと呼ばれるグループが続々と生まれ、アイドル雑誌やら新書やらが続々と刊行され、一般メディアでもアイドルであることが肯定的文脈で使われる。かつての“冬の時代”を知るものとしてはいまだに信じられない気分だ。15年前の自分に今の状況を聞かせても絶対に信じないと思う。


だが、ブームと言うものは必ず終りが来る。
今は持ち上げているメディアやレコ社や流通が、どれだけ冷淡で愚昧か、冬の時代を生き抜いてきた我々は知っている。
あの者どもは風向きが変わるやいなや、持ち上げてきた手のひらをくるっと返して、彼女らを突き落とし、自分たちはホトケのような微笑でいけしゃあしゃあと善人面をさらして生き続ける。そしてアイドルたちは存在することすら許されなくなる。


そうならないために、アイドルブームをブームで終わらせないために、できることをしていきたい。
それは何かといえば、ひとりひとりが自分の好きなアイドルを自分で決め、そして発信していくことだ。


先の“冬の時代”と今とが決定的に違うのは、インターネットが普及し定着していることだ。我々は誰しもが情報の発信者になり得る。このことを今一度噛みしめておきたい。


かつては、メディアがすべての情報を支配していた。一次情報、つまりアイドル自身や制作者がどれほど努力しても、メディアでせき止められていた。あれはウケが悪いだの、これは売れないのと勝手に決めつけ、排除し、選別していたのだ。その歪められた情報がさらにメディアにより拡散され、「結果」となって一次情報者にフィードバックされる。すると、あーメディア受けが悪いなあ〜うんちゃらかんちゃらってなことになり、ファンの存在を忘れ、メディアのほうばかり向いて仕事をするようになる。


しかし、今の我々にはインターネットがある。アイドルちゃんは毎日のようにメッセージや写真をアップしてくれるし、今日の現場の様子はUSTREAMで中継されたり、現地のファンが様々な視点からツイートしたりエントリを書いたりしてる。
もうメディアにアイドルの生殺与奪の権を握られることはない。我々一人ひとりが、好きなアイドルの魅力をアピールすることが出来るのだ。


そしてそのためには、我々自身がしっかりとした「目」を持たなくてはならない。
少なくとも、時流におもねって息を吐く用にでまかせを言ったり吐いたりするような、アイドル評論家もどきをチヤホヤしてるようではいけないということだ。
ハロプロが流行ったらハロプロPerfumeが流行ったらPerfumeAKB48が流行ったらAKB48をほめそやす。今度はももクロですか?ぱすぽ☆ですか?
そんな、売れた後したり顔で上っ面だけなぞったようなこと言ってるようなコバンザメ連中をのさばらせてはならない。そんなのが監修したような本やらCDやらは、排斥されなければならない。
まして、ファンの側が、そんなコバンザメ連中の言葉を借りて自分の意見を補完するようでは同罪だ。


そんな連中のご意見を頂戴しなくても、我々は自分たちで自分の好きなアイドルを決めることが出来る。発信することが出来る。
コバンザメ評論家どもが何を言おうと、なにを書こうと、そんなことは関係ないのだ。


これが15年前なら、ファン一人ひとりの意見など届くこともなかったかもしれない。だが今はネットに書き残すことで、検索エンジンが拾い、TwitterTumblrが拡散し、それが既存メディアをも動かすときである。実際週刊誌の記事とて明らかにネットで拾って書いたものも散見される。ネットに書きこむのに権威も権力もコネもいらない。


我々一人ひとりが、時代の証人であり当事者だ。


我々一人ひとりの力は、少なくともかつてよりは上がってる、冬の時代を食い止める力もあると信じたい。「駄目になるかならないかなんだ。やってみる価値ありますぜ」ってヤツだ。
そのことを自覚し、愚昧なコバンザメ評論家どもを駆逐し、メディアに踊らされないことが、アイドルブームをブームで終わらせず、シーンを支えていくと考える。