SKiCCO REPORT

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客ヒト桁から全国区アイドルへ!変わるアイドルの売り出し方

これまで、アイドルはテレビから生まれるものだった。スタ誕、夕ニャン、そしてASAYAN。テレビがあって、みんながテレビを見てて、翌日学校で話題の中心になる。アイドルはブラウン管の中にいるものだった。
だが、もうそれも過去の話になろうとしている。



アナログ停波、地デジ完全移行(岩手宮城福島の三県除く)が目前となったある日、「19時台の民放は全局、視聴率が1ケタになった」と話題になった。テレビ朝日の藤井智久ゼネラルプロデューサーがツイッターで呟いたものだ。



しかも視聴率というのは「テレビの無い世帯」は想定されていない。テレビがあるのに見ない人がこれほどいるということなのだ。地上波テレビの影響力はいまだ絶大とはいえ、その衰退のスピードも上がっているようだ。テレビ離れが言われて久しいが、進学や就職で一人暮らしを始める際にテレビは用意しない人も少なくないと聞く。若者はそもそもテレビに近づいてすらいない。中高生などは自分専用のテレビを持つより先にケータイを持ったという人もいるのではないだろうか。


そうした状況の中、テレビに頼らない売り出し方をしたアイドルが続々と成功を収めつつある。


AKB48が最初の頃客が7人しかいなかったという話は、AKB48の成功を語る上で必ずついてまわるが、客ヒト桁から全国区へ進出したアイドルといえば、これまでは東京パフォーマンスドール(TPD)が代名詞だった。Winkもそうだと言えばそうなのだが、メディア側で火がついてうっかり売れた感が強いので(彼女らが苦労しなかったとか本当は人気がなかったとかいう意味ではない)、だいたい客ヒト桁から成功したといえばTPDと言われていた。
しかし21世紀になって、すでに2組、PerfumeAKB48が客ヒト桁から全国区的に成功を収めている。また、ももいろクローバーも客ヒト桁というか路上からスタートして、すでに全国区は射程圏内だ。いずれも、活動開始当時にはテレビが大々的に取り上げることはなかったのに、である。
さらに、最初客がヒト桁だったかは定かでないが、メディアに見向きもされなかったぱすぽ☆東京女子流も、現場を重ねて着実にファンを増やし続けている。
売れるとわかるやいなやPerfumeAKB48をちやほやする媒体、ぱすぽ☆が1位になったとたんに騒ぎ出すワイドショー、メディアは自ら無能を晒している。もはや彼らは状況を後追いすることしかできない。


状況は確実に変わっている。
もはや20世紀型の、タイアップ付けてテレビや雑誌にドカーンと露出してというメディア主導の売り出し方では、ファンの心に響かない。そんなもんがウソっぱちだってみんなわかってしまったから。昔みたいに情報を一握りのメディアが独占してコントロールできる状態ではないといい加減に気づくべきなのだ。


それでも「いや別にキモヲタなんか関係ないしむしろ売り出しの邪魔だし」と言うのかもしれん。だがそうやってセンシティヴなアイドルオタクを排除して一般消費者に届かせそしてヒットされるのは、ヲタ経由でヒットさせるよりもさらに困難を極めるだろう。20世紀までならいざ知らず、そのような売り出し方をしてヒットしたアイドルというのは少なくともこの10年くらいはすぐに思いつかない。


それを、いまだに、デビュー時に派手にマスコミ呼んで記者会見開いてタイアップ発表したりなんだりしてプロデューサーだか社長だか知らないが自己顕示欲のカタマリみたいなのが悦に浸っている光景を目に耳にするとめまいがする。おっさんが自滅するのは勝手だが、一度しか無い女のコたちの人生が振り回されるのはもう見たくない。


テレビメディアからアイドルが生まれると言うのは、ブラウン管の中でアイドルを見て育ってきた世代の幻想なのだろう。今テレビ番組制作の主導権を握ってる世代は、モロにテレビ黄金期に思春期を過ごした世代だろうから。だが視聴者としては、テレビ黄金期を知ってればこそ今のテレビ番組は魅力を感じない(楽しいのは再放送ばかり)。
そして、もう今の若い人にとって、テレビなんか数ある媒体の一つでしか無い。
そのことに気づかず、幻想を追い回してテレビメディアに固執していては、みんなが不幸になってしまう。


自分たちでアイドルを売り出すことも、これから売れるアイドルを見つけ出す目利きもできなくなってしまったテレビメディアに、アイドル側はもう頭をさげる必要はないのだ。
今こそ、テレビが主導しテレビが判断しテレビに滅ぼされる「テレビ型芸能界」と決別すべき時である。