SKiCCO REPORT

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オリコンチャートを絶対視するメディアとそのメディアを妄信する連中が「AKB商法」を可能にした

AKB48のCD販売手法に対する批判は枚挙にいとまがなく、「国民的アイドル」と呼ばれるようになった昨今でも尽きることがない。
AKB48 - Wikipedia

AKB商法
AKB48関連の商品は、特典を付けることにより、熱心なファンが同じ商品を複数買うように誘導する手法が創生期の頃から取られており、これが一般にAKB商法と呼ばれている。

曰く、「オリコン1位になっても曲を誰も知らない」「100万枚売れて何人買ってるのw」、あげく、あんなのがオリコン1位になるのが許せない害悪だ的な言説もみられる。
確かに、ファンによる複数買いは日常的に行われており、100万枚売れても100万人が買ってるわけではなく、その意味でファン以外の人がヒットの実感がないと言うのは当然といえば当然だ。
とはいえ、レコード会社や運営がファンに複数買いを強要してるわけでもなく、ファンは握手券目当てだろうとなんだろうと好き好んで複数買っているのだ。その消費行動を非難できる道理はない。それに、あの握手会にかかる費用(会場代と人件費だけでも想像するのが怖いレベル)を想像すれば、レコード会社とて銭金目当てだけでやってるわけでもなかろう。
また、複数買いへの誘導は何もAKBが始めたわけではない。握手会は昭和の頃から今に到るまでアイドルにはつきものだ。シングルの複数仕様は今はアイドル系のみならずやってない人のほうが珍しい。


なんでこんなことになったのか。


いい曲を作れば売れるというのは半分正しくて半分間違ってる。どんないい曲でも知られなければ買われるわけがない。
そのため、売り出す側はいかにたくさんの人に知ってもうらか、換言すれば、いかにメディアで流すかに腐心してきた。
メディア側が自分たちでの「目利き」をやめたときから、いい曲だから云々というのは意味を持たない。CDランキングで何位だったかがメディア側の指標になった。
「いかにたくさんの人に知ってもうらか」が「いかにメディアで流すか」へ、そして「いかにCDランキング上位になるか」に変わっていったのだ。


CDの売り上げランキングなんて本来は業界内の指標で、音楽を楽しむのに必要なものではない。
メディアでの扱われ方など気にせず音楽を楽しむ人が多数派であれば今のような状況にはならなかったのだ。
だが実際にはメディアで扱われないような曲は存在すら気にされない。多くの人は、「ランキング上位としてメディアで紹介される曲」にしか興味を持たなくなった。
そしたら、CD売る方としてはメディアで扱われるようにランキング上位を目指すのは当然だろう。同じ枚数でも、例えば1週1,000枚で1年かけて達成した5万枚より、1週で5万枚売って翌週にはチャートから消えても、評価されるのは後者だ。だったらそういうふうに売るだろ。


ランキングや売上でしか良し悪しの判断できない人間が多いからこんなことになっているのだ。
商売人ならそれでもよかろう。
だが、自分で自分の好きな曲を探せないような人が「あんなの握手券売ってるだけだろw」などと言うのはちゃんちゃらおかしい話だし、またオリコンチャートや売上でしか「良い曲」という基準を持てないメディアに「AKB商法」を批判する資格などない。


オリコンチャートはあくまで一企業が集計したCD売上の一側面でしかなく、音楽の良し悪しを決めるものではない。そのことをわからずに「オタクが山ほど買ってるCDが1位になるのキモチワルイ!JPOP崩壊!」とか言うのは意味不明だ。
そんなランキングが気にいらないなら気にしなければいい。
そんなランキングをありがたがってる朝のワイドショーやスポーツ新聞を気にしなければいい。
そういう人が増えてくれば「AKB商法」は意味を持たなくなるのだから。