SKiCCO REPORT

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2010年アイドルシーン総括またはももクロちゃんと東京女子流観て思ったこと

今年はももクロちゃん東京女子流の年だったと思う。この二組が来年どれくらい伸びるのかがあらゆる意味で今後のキモだと思う。


これで終わらせてもいいのだが、もう少し書く。ってか書きたい。書かせてくださいマジで。ということで今少しおつきあいを。


ももクロちゃん東京女子流は、ちょうどAKB48をはさんで対照的なのかなと感じた。ももクロちゃんは「アフターAKB」の代表であり、東京女子流は「ビフォーAKB」の末裔というか逆襲というか。
ももクロちゃんは初期の頃からのもろもろがAKB48の手法を(形式的に)トレースしているようでもあり、またいわゆるAKB難民の受け皿であったようにも思う。お前ついこないだももクロ見たくせに知ったような口きくなって思った皆さん、すいませんもう俺あやまっちゃう。まあ外から見てると見えるものもあるってことでご容赦を。
東京女子流は、単純にAKB以前の曲をカヴァーしてるってこともあるけど、あるいは現場で思ったのは客のノリも00年代前半風であり、我々がこの5年で失ってしまったロストフューチャーなのかなとか思った。もしこの世にAKB48が出現しなかったときの正常進化型とでも言えばいいのか。


AKB48出現前夜の2005年頃、俺はアイドル冬の時代の再来を覚悟していた。もう「アイドル」っていう看板が使えない日が再び来るのではないかと。
00年代初頭は、ハロプロの隆盛もあり、さもアイドル冬の時代が終わったかのようにも見えたし、実際いろんなアイドルちゃんがいたし、俺も現場行きまくった。楽しかった。しかし、俺の体感だと03年頃から急にクオリティが落ちていったように感じた。ここで言うクオリティってのは歌とかダンスのってよりは、そもそもプロダクトとして「お前売るきあんのか」レベルなものが増えていったような気がした。ハロプロは俺からみると巨大なムラ社会であり、またそもそもモーニング娘。が「女性ロックヴォーカリストオーディション」の出自ということも影響しているのか、アイドルの文脈とはひとつ離れたところにあったのではないだろうか。すなわちどれだけ巨大になってもアイドルシーンへの影響が限定的で、ハロプロの盛り上がりの割にアイドルシーンへのフィードバックが少なかった。
その上、盛者必衰と言うべきか、ハロプロも依然巨大なマーケットではあったものの(それは2010年の今もそうなのだけど)勢いという面で見ると縮小均衡の傾向がうかがえた。
一方「非ハロプロ」においては、あまり言いたくはないが商業的な成功が出現せず、結果アイドルとは「毛並みの違う」方向へ傾倒していった結果、マーケット全体から活気が失われた。
だからAKB48の最初の評価は「大人の遊び」、すなわち採算度外視でどっかの誰かが道楽でやってるとか誰かが誰かを騙して金出させて好き勝手遊んでる、客側においては、これの良さがわかるのはベテランアイドルオタクだけで若い人にウケるわけがない、といったものだった。当時の自分に「5年後にはAKBがCD100万枚近く売って幕張メッセで握手会やって横アリや代々木体育館がソールドアウトしてテレビや雑誌がAKBであふれかえる」なんて言ってもそれこそヲタの妄想としか思わなかっただろう。


2005年頃のアイドルシーンはそれほど深刻であり、それゆえにAKB48インパクトも大きかったのだ。


あれから5年、AKB48はまさしく我が世の春を謳歌し、ももいろクローバー日本青年館を超満員にし(AKB48ですら初の青年館はソールドアウトにならなかった)、今年登場した東京女子流AKB48とはまったく違う手法、まったく違う芸風で地道に着実に実績と経験を積み重ねてる。
今年はアイドルシーンにおけるひとつの分水嶺だったのかもしれない。