SKiCCO REPORT

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「ヒット曲」の概念が20年以上前に崩れてるのだからヒットチャートに意味がないのも当たり前

シングルCDの時代は終わり、オリコンのシングルチャートも時代遅れに - P2Pとかその辺のお話@はてな
この記事自体は冷静丁寧正確な良記事だけど、一部ネットメディア()は鬼の首でも取ったかのように「年間TOP10はAKB48と嵐だけ!J-POP終了!」とか喚いてるのがいてクソ笑える。


いわゆる全国の皆さんが、子供からお年寄りまで知ってるような「ヒット曲」なんてもう何年に一度しか出ないレベルになっている。もう、みんながみんな同じような趣味嗜好で体験を共有するってのはありえないから。
音楽で言えば、ラジカセやウォークマンが出たじめたころからだろうかねえ。ラジオやテレビがお茶の間の主役で、レコード聴くときは家に一台のステレオの前でかしこまって聴くとかそんなの俺が生まれる前とかの話だよ。
それでも俺が子供の頃はまだテレビの歌番組が元気だったけど、それも80年代中盤以降どんどん衰退し、「ザ・ベストテン」はいわゆるアーティストの皆様が欠席しちゃったりしてるうちに歌番組自体が無くなったし。
一方で貸しレコード屋の台頭でみんなそれぞれが好きな曲を手軽に聴くようになっちゃったから。
その傾向はレコードがCDに、カセットがMDになってさらに加速した。
それが90年代。
確かにCDはバカみたいに売れてた。が、俺はCDバブル直撃世代だからその頃のJ-POPとか知ってるし好きだけど、それが全世代的なヒットだったかどうかは甚だ疑わしい。
俺が若い頃のおっさん世代はカラオケで歌うのは「居酒屋」とか「北空港」とか「ホテル」だったし。で俺ら世代はグレイミスチルラルクそしてTKだ。
「ヒット曲」なんてもう20世紀の終わりには無くなってたし、オリコンチャートがヒドイことになってたのも当時からだ。
タイアップの成否が売上を決める状態は、音楽家を「音楽屋」にした。ファストフードみたいに注文受けてサクっと出来上がり。すべてはクライアント様の仰せのままに。
もちろんみんな商売でやってるんだからそれもまた仕事ではあるが、それを是としてきたものが今年のランキング捕まえて「J-POP終了!チャートなんか無意味!」とか言うのは噴飯モノだ。
おまけ商法も多品種販売も80年代からあるっつーの。
それが行き過ぎだというのならそうだろうが、それが嫌ならさっさと配信に移行するなり、いわゆる360度ビジネスに転換するなりすればいいし、CDシングルランキングが実態を反映してないと言うならそんなランキングは無視すればいい。


だいたいタイアップ至上主義にせよ、いわゆるAKB商法にせよ、企画制作から卸小売にいたるまで業界全体がランキングに依存して、メディアや流通が自分たちで目利き(耳利き?)できないからこんなことになっているんだ。まあそんなことしてるうちにもはやそんな一握りの目利き耳利きよりいわゆるソーシャルな情報共有のほうが活発になってしまったけどな。


長ったらしくなってしまったが、ようするに、レコードがCDになったように物理メディアから配信への流れは不可避であり(業界一丸となって抵抗してるみたいだが)、チャートが実態を反映してないのは20世紀からずっとそうであり今更騒ぐなという話であり(そもそも何を指して「実態」と呼ぶかという話もあるが)、そんなチャートが嫌なら見なければ、アテにしなければいいのだ。


ふと思ったんだけど、ツイッターで「#NowPlaying〜」って曲名表示してるやつあるじゃない。あれってツールか何かでやってるのかね。したらみんなで参加してネット上クロールして自動でまとめて「今週(今日)の再生回数ランキング」みたいなのができたら面白いんじゃね?ってかもうあるのかな?